9.安全のしおり

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石膏製品を安全にお使い頂くために

1.石膏の豆知識

石膏は海水中に0.2%ほど溶存しています。海水の蒸発により生じた石膏の鉱床は岩塩鉱床と共に世界各地に分布しています。「モース硬さ」は2、pHは中性の鉱物で、アラバスターという名称でエジプト・ツタンカーメン王の彫像素材として、また中国漢方薬の一成分として古くから利用されております。パリ・モンマルトルの丘を掘れば石膏が出てくるそうです。この他にも、化学的に合成あるいは副生される石膏があります。 豆腐製造時の凝固剤、ビールの中に添加されるなど食品添加物として、また石膏重量の20%ほどは結晶水であり、200℃以下の温度で水分を放出しますので防火性・耐火性の建築材料としても利用されております。なお、1,100℃以上になると分解して亜硫酸ガスが発生します。上市されている石膏製品の多くは白色粉末で、平均位径は15~45μと微粉砕されていて、空気中の湿分により変質し易く、有効期間が比較的短い材料であります。品目により各種薬品類、樹脂、着色剤など加配されたものがあります。水中に散布、混練すると1時間程で発熱硬化し、さまざまな形状物が作成できる便利な材料であります。

廃棄石膏(故型)の安全性について

陶磁器型材用石膏として利用された石膏型(故型:フルガタ)は、使用後は廃棄されますが、その量は当社推定(1999年)で、全国で約24,000トンあります。その内、2,400トンは、焼石膏原料として再利用されています。また、13,000トンは、セメント原料として利用されています。残りの8,500トンは、産業廃棄物として廃棄されています。

2.石膏の名称と化学反応

  • イ)天然にも存在し、水と接しても硬化しないもの

    • ●二水セッコウCaSO4・2H2O (硫酸カルシウム二水和物、セッコウ、生セッコウ、ジプサム)
    • ●Ⅱ型無水セッコウ ⅡCaSO4 (硫酸カルシウム無水和物、不溶性無水セッコウ、死焼セッコウ)
  • ロ)人工的に焼成して得られ、水・水蒸気と接して硬化するもの

    • ●半水セッコウ CaSO4・1/2H2O(α型、β型) (硫酸カルシウム半水和物、焼きセッコウ、プラスター、 プラスター・オブ・パリス)
    • ●Ⅲ型無水セッコウ ⅢCaSO4 (硫酸カルシウム無氷和物、可溶性無水セッコウ)
  • ハ)化学反応

    強酸と強アルカリの中和による中性の正塩

    • 例)(NH4)2SO4+Ca(OH)2→CaSO4・2H2O+2NH3   カルシウム塩と硫酸塩の反応による塩
    • 例)Cacl2+Na2SO4+2H2O→CaSO4・2H2O+2Nacl

3.石膏の全般的注意事項

  • *粉末が目に入らないように注意してください。万一目に入った時はすぐに大量の流水で洗浄し、眠科医の診断を受けてください。
  • *粉塵の吸入を避けてください。局所吸塵排気装置のある所で、公的機関が認可した防塵マスクを着用して取り扱ってください。粉塵を長期間吸入すると呼吸器の炎症、障害を起こすことがあります。
  • *石膏は吸湿性が高く、雨・水濡れ・湿気厳禁の材料です。*使用前、使用中も含め密閉し、高温・多湿の場所を避けて保管ください。
  • *結露水が発生しやすい所、温気の高い所、床や壁面に直接に接した所での保管などは避けてください。
  • *カタログ記載の物性値、使用法などは参考資料としてご提供するもので、それを保証するものではありません。
  • *指定の用途以外にご使用の場合は性能を保証いたしかねます。
  • *積層段数が多いと荷くずれの危険があります。

4.石膏の品目別注意事項

※全般的注意事項に加え、次のことについてもご注意ください

●陶磁器型材用石膏

  • *ロクロ成形時に石膏型が割れ破片飛来の危険がありますのでご注意ください。

●ケース用石膏

  • *手の荒れやすい人は、石膏スラリーが手や皮膚に触れないようハンドクリームを塗布、ゴム手袋を着用して取り扱ってください。石膏スラリーが手や皮膚に触れると炎症を起こすことがあります。
  • *石膏の硬化発熱時に顔や身体を無用に近づけないでください。石膏の硬化発熟に伴う発生ガスが目や鼻、皮膚に接すると、痛みや炎症を起こすことがあります。
  • *硬化物加工時の破損によるケガに注意してください。
  • *排水中の懸濁固形物、pHなど、排水廃棄物の公害についてご注意ください。詳しくはメーカーにご相談ください。
  • *石膏の品種によりpHが酸性・アルカリ性のものがあり、両者の混用はトラブルを発生させることがありますのでメーカーにご相談ください。

●工業模型用石膏

  • *手の荒れやすい人は、石膏スラリーが手や皮膚に触れないようハンドクリームを塗布、ゴム手袋を着用して取り扱ってください。石膏スラリーが手や皮膚に触れると炎症を起こすことがあります。
  • *石膏の硬化発熱時に顔や身体を無用に近づけないでください。石膏の硬化発熱に伴う発生ガスが目や鼻、皮膚に接すると、痛みや炎症を起こすことがあります。
  • *石膏型は割れることもあり得ますので、吊り上げた型の下には絶対に入らないでください。
  • *排水中の懸濁固形物、pHなど、排水廃棄物の公害についてご注意ください。詳しくはメーカーにご相談ください。
  • *石骨の品種によりpHが酸性・アルカリ性のものがあり、両者の混用はトラプルを発生させることがありますのでメーカーにご相談ください。

●鋳造用石膏、鋳造埋没用石膏、歯科鋳造用埋没材

  • *粉塵の吸入を避けてください。局所吸塵排気装置のある所で、公的機関が認可した防塵マスクを着用して取り扱ってください。原料中に結晶性シリカなどの遊離けい酸が含まれているものもあり、肺の損傷(珪肺症)などを起こすことがあります。
  • *鋳造用石青は鋳型乾燥方法など使用説明書の指示に従ってください。石膏鋳型の乾燥は、結晶水の除去が不十分な場合、金属鋳込時に危険が生じます。
  • *指定の用途以外にご使用の場合は性能を保証いたしかねます。

●歯科用焼石膏、歯科用硬質石膏

  • *食べる物ではありません。小児の手の届かないところに保管ください。
  • *硬化物加工時の破損によるケガに注意してください。
  • *下水の詰まりにご注意ください。
  • *指定の用途以外にご使用の場合は性能を保証いたしかねます。

●建材用石膏

  • *石膏成形硬化体は割れることもあり得ますので、吊り下げた硬化体の下には絶対に入らないでください。

●美術教材用石膏

  • *食べる物ではありません。小児の手の届かないところに保管ください。
  • *下水の詰まりにご注意ください。

●硫酸力ルシウム(生石膏)

  • *食品用途にご使用の場合は、食品添加物公定書中「硫酸カルシウム」の規格基準に従ってください。

※本資料は、国内の石膏メーカーの検討により作成いたしました。

※製本したものがありますので、ご請求ください。

※より詳しい説明が必要でしたら、弊社までお問い合わせください。

ご意見等ございましたら、当社技術研究所まで、お知らせ下さい。